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お知らせ

葬儀費用の平均額はいくら? 葬儀の形式にはどのようなものがある?

2022年5月26日

身内が亡くなった際には、葬儀を行うのが一般的です。

最近では家族葬など、小規模に行うものも増加傾向にありますが、

実際に葬儀を行うとなれば、どのくらいの費用が掛かるのでしょうか?

葬儀費用の平均額を紹介するとともに、葬儀の形式にはどのようなものがあるかについても解説します。

2020年の葬儀費用の平均額

株式会社鎌倉新書が行った「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)」(調査対象:直近2年半以内に葬儀を行った、

または携わった経験のある日本全国の40歳以上の男女2000名)によれば、2020年の葬儀費用の平均額は、

約184万円となっています(※)。

内訳は「葬儀費用」が約119万円、「飲食費」が約31万円、「返礼品に掛かる費用」が約34万円です。

■葬儀費用
葬儀費用として挙げられるのは、葬儀を行う式場の利用料、および火葬場の使用料です。

費用の価格帯分布をみると100万円以上120万円未満の価格帯が最も多く、全体の14%を占めています。

次いで多いのは、80万円以上100万円未満の価格帯となっており、その割合は全体の13.6%です。

ただし、40万円以上60万円未満の価格帯が10.7%と3位に位置するなど、平均額よりも少ない費用で行う割合も、

一定数存在していることが分かります。

■飲食費
葬儀に集まってくれた人に対して、お弁当や料理を振る舞う際の飲食費については、

10万円未満の割合が32.3%と最も多くなっています。

次いで10万円以上20万円未満の割合が25.1%となっており、半数以上が20万円以下に抑えていることが読み取れます。

一方で、40万円以上60万円未満の割合も約10%いることから、価格帯のばらつきがあることが分かります。

■返礼品に掛かる費用
いわゆる香典返しに掛かる費用ですが、10万円未満となっている割合が約34%と最も多く、

次いで多いのが10万円以上20万円未満の約22%です。

葬儀の形式にはどのようなものがある?

現在執り行われている葬儀の形式には、「一般葬」「家族葬」「一日葬」「直葬・火葬」があります。

■一般葬
一般葬とは、最も多く執り行われている形式のもので、通夜を行い、翌日に葬儀を行う形です。葬儀の後、火葬場で火葬し、

骨つぼにお骨を収める流れになっています。

一般葬を行うメリットは、家族や親族だけではなく、故人がこれまでに付き合いのあった知人や関係者も葬儀に参列でき、

これまでのしきたりにのっとった葬儀が行えることです。

ただ、参列者の数が多いと、その分準備する飲食代も掛かりますし、大きな会場を使うとなるとその費用も負担が重くなります。

また、遺族が参列者の対応に追われ、忙しくなってしまうというデメリットもあります。

■家族葬
家族葬は一般葬と異なり、家族や親戚などの身内とごく親しい知人のみで執り行う葬儀の形式です。

一般葬と比べ、参列者が少なくなることから、参列者の対応に追われることなく、ゆっくりと別れの時間を過ごすことができる点や、

一般葬よりも費用を抑えることができる点がメリットです。

しかし、実際に葬儀に参列したかったのにもかかわらず、参列できなかったと思う人が出てくる点はデメリットといえるでしょう。

■一日葬
通常の葬儀では、通夜を行い、翌日に葬儀を行うケースが一般的ですが、一日葬の場合は通夜を行わず、火葬まで1日で行う点が特徴です。

参列者のスケジュールが合わせにくい場合に有効な形式ですが、お別れの時間をゆっくり取れないというデメリットもあります。

また、葬儀自体はその日に終わりますが、ご遺体の葬儀会場への搬送は葬儀前日に行っておく必要があるなど、

注意点もあることを知っておきましょう。

■直葬・火葬
直葬・火葬とは、一般的に行われる通夜や葬儀を行わず、直接ご遺体を火葬場に運び、そこで遺族とお別れの時間を持ち、

火葬する形式です。

通常の葬儀に比べて格段に費用を抑えられるメリットがありますが、故人の遺志がそうであった場合に行われるのが一般的です。

また、遺族にとっては、故人との別れの時間をできるだけ取ってあげたいという気持ちや、故人と縁のあった知人とも

別れの時間を共有したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。

直葬・火葬を選ぶ際には、故人がそれを望んでいることを優先し、そうでないのであれば、一般葬、

もしくは家族葬で執り行うことをおすすめします。

ちなみに、最も多く執り行われている形式は一般葬で、全体の約49%を占めています。

次いで多いのが家族葬(約41%)、その次が一日葬(5.2%)、直葬・火葬(4.9%)の順となっています。

一日葬および直葬・火葬の割合は全体の約5%にとどまっており、一般葬もしくは家族葬の形式で執り行うケースが

主流となっていることが分かります。

まとめ
葬儀は、亡くなった人との最後の別れの儀式です。あまり盛大に執り行ってほしくないという人もいますし、

故人の立場によっては、生前にお世話になった人に知らせなければならないケースもあります。

まず、生前に自分がどのような葬儀形式を行ってもらいたいのかをエンディングノートなどを通じて、

家族に知ってもらうことも大切ですし、遺された家族としてもどのような形式が最も故人の思いにふさわしいかを考えながら、

最終的な葬儀の形式を決める必要があるといえるでしょう。

出典
(※)株式会社鎌倉新書「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)」

執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

「塔婆供養」ってなに? 塔婆供養の意味や方法を解説します

2024年3月14日

「塔婆供養」ってなに? 塔婆供養の意味や方法を解説します

回忌法要やお盆のときにお墓に立てる塔婆について、故人や先祖の供養のためのものとは知っていながら、塔婆の起源や意味、内容について詳しく知らない人のために、追善供養など実際の塔婆の立てかたを含めて解説します。

塔婆(とうば)とは

塔婆は卒塔婆(そとうば)ともいいます。

お墓の後ろの塔婆立てに立てる1~2mの細長い板で、経文や故人の戒名などが書かれており追善供養のために立てられます。

塔婆の起源

塔婆は古代インドのサンスクリット語で仏塔を意味する「ストゥーパ」が語源で、漢語(中国語)で卒塔婆と書いたものが塔婆とも呼ばれるようになりました。

ストゥーパはインドで仏陀のことを供養するために建てられたものでした。

ストゥーパも仏教と一緒に日本へと伝播しましたが、それが元となって五重塔が建てられるようになったとされています。

その後、五重塔が五輪塔になり、五輪塔を簡略化して同じ意味を持たせたのが塔婆です。

塔婆は供養を意味する

五輪塔は供養塔ともいわれます。

五輪とは仏教で宇宙を構成する5つの要素である五大(空、風、火、水、地)を示しており、人間もこの五大によって生かされていると教えられています。

塔婆にも五輪塔と同じ五大が刻まれており、塔婆を立てることはすなわち供養を表しています。

塔婆の種類

塔婆の種類は、主に下記のようなものがあります。

  • 板塔婆
    よく見かける塔婆で、厚さ1cmほどで長さ1~2mほどの板でできており、お墓の後ろの塔婆立てに立てます。塔婆または卒塔婆といえば一般的にはこれを指します。
  • 角塔婆
    四角い柱の形をしており先端が尖っています。墓石が出来上がるまで墓石の代わりに墓標として立てることもあります。太さ10cm程度の四角柱で長さ1~2m程度です。
  • 経木塔婆(水塔婆)
    薄い経木で作られた小さな塔婆です。お寺での法要に使われることが多く、川に流すこともあるため水塔婆とも呼ばれます。
  • 七本塔婆故人の死後、初七日から四十九日まで七日ごとに法要が行われますが、そのときに用いられる小型の板塔婆です。

塔婆立ての種類

近年のお墓では塔婆を直接地面に刺すことが少なくなっており、墓石の後ろにある塔婆立てに塔婆を立てます。

塔婆立ては、複数の塔婆が立てられて強風でも塔婆が倒れない構造になっています。

耐久性の高いステンレスや墓石と同じ種類の石材で作られています。

塔婆に書かれている文字

細長い板塔婆には、宗派や地域などにより一部違いはありますが、おおよそ以下の内容が書かれています。

  • 戒名
  • 命日
  • 法要の名前(一周忌法要など)
  • 供養年月日(その塔婆を立てた日)
  • 経文
  • 梵字(五大と呼ばれる空、風、火、水、地)
  • 施主名
  • 大日如来を表す梵字(宗派による)

塔婆を立てる意味

お墓の周りに、塔婆が立っているところを見たことがある方は多いと思います。

お墓に立っている塔婆は、そのお墓のなかで眠っている人がどのような人かということを示す役割を果たしています。

また、仏教において塔婆を立てることは善行であるとされており、自分自身の善を積むことにより故人や先祖への供養になるとされています。

いつ塔婆を立てるのか

塔婆は故人や先祖を供養するために立てるもので、基本的にいつ立ててもよいとされています。

塔婆を立てることを塔婆供養といいますが、一般的に塔婆供養は四十九日までの7日ごとの法要、納骨や回忌法要、お盆や彼岸、施餓鬼会などの際に行われます。

塔婆を立てる時期については宗派やその地方の習慣により決まりがあるので、お世話になっているお寺に相談することをおすすめします。

ここでは多くの人が塔婆を立てる追善供養とお盆に行われることの多い施餓鬼について解説します。

追善供養

追善供養とは、一周忌や三回忌などの故人の命日に法要を行うことをいいます。

追善とは、亡くなった人に対して行う善行が亡くなった人の供養になり、それが自分の徳を積むことにもなるという考えです。

追善供養の塔婆は法要の施主だけでなく、親族もそれぞれの名前で故人に対して立てることもあります。

お盆の施餓鬼とは

お盆の時期に行われることの多い施餓鬼会(せがきえ)という行事があります。

仏教では、餓鬼と呼ばれる亡者がいつも飢えと乾きに苦しんでおり、この餓鬼に飲食を施して救う機会が施餓鬼会とされています。

施餓鬼会には、檀家の皆さんがお寺に食料を持ち寄り塔婆を立てて餓鬼を供養していました。

これがお盆に塔婆を立てる習慣に繋がっています。

浄土真宗では塔婆を立てない

浄土真宗では他力本願や他力念仏という教えから、亡くなった人はすぐに極楽浄土に往生すると考えられています。

そのため基本的に、塔婆を立てて故人の往生を願う塔婆供養や追善供養は行いません。

塔婆の相場価格

塔婆料という言葉があります。

これは、お寺などで塔婆に文字を書いてもらうことに対する謝礼のことを指します。

塔婆料はお布施などと違い、お寺側が金額を指定します。

塔婆料は2000円~1万円程度です。

塔婆を処分するときの流れ

塔婆を下げる時期

塔婆を下げる時期は、特に決められていません。

法要などがあるたびに塔婆を立てていくと、いずれ塔婆を立てる場所がなくなります。

そんな場合は、古い塔婆から下げていけばよいでしょう。

塔婆の処分方法

多くの墓地・霊園では古い塔婆を集める場所があり、そこに集まった塔婆はお寺でお焚き上げをしたり霊園の管理事務所が責任を持って処分してくれますので、個人で処分することはありません。

まとめ

本記事の内容をまとめると以下のようになります。

  • 塔婆は卒塔婆とも呼ばれ、お墓の後ろに立てて故人を追善供養するためのものである
  • 塔婆を立てることで故人や先祖の供養ができるだけでなく、立てた側も徳が積めるといわれている
  • お盆や周忌法要のタイミングで塔婆を立てるが、浄土真宗では塔婆を立てない
  • 塔婆料は塔婆に文字を書いてくれた僧侶に渡す謝礼のことで2000円~1万円が相場である
  • 法要などのたびに塔婆をだんだん立てていき、立てるスペースがなくなってきたところで古い塔婆から捨てていくとよい

塔婆は供養塔であり、塔婆を立てるという善を積むことが故人の供養になり、やがて生きている本人にも戻ってくるという仏教の教えを、改めて知ることができたことと思います。

家族葬の通夜には参列すべき? 参列マナーや参列しない場合もご紹介します

2024年5月10日

家族葬は近年注目を集めている葬儀形式です。家族葬は親族や故人の親しかった人だけで行いますが、家族葬の通夜に参列してもよいのでしょうか。今回は、家族葬の通夜に参列すべきかについて、参列マナーや参列しない場合のマナーについても含めて解説します。

家族葬のお通夜には誰が参列するのか

家族葬は10人から30人程度で行うのが一般的です。

基本的には、故人の配偶者や子供、孫、故人の両親が参列します。

家族葬では、ご遺族の意志で葬儀やお通夜の参列は2、3親等までと決めていることもあります。

しかし家族葬に明確なルールはありません。

故人の遺志やご遺族の考え次第で、親族や親しい友人が参列する場合もあります。

親族だと、訃報を聞くと「親族だから参列しなくてはいけない」と考えてしまいますが、そうではありません。

家族葬の場合は通夜や葬儀に参列してほしいと連絡があったときのみ参列となりますので、注意が必要です。

家族葬のお通夜に参列してもよいのか

家族葬に参列するのは基本的に、ご遺族や親族であると解説してきました。

では知人の葬儀が家族葬であった場合、参列してもよいのでしょうか。

基本的に参列しない

家族葬は、基本的にご遺族や呼ばれた人のみで行う葬儀です。

家族や親族だけで行う家族葬では、葬儀後にご遺族からはがきで連絡をもらうことが多いです。

事前に訃報を知った場合に、葬儀やお通夜への参列を希望する人もいますが、基本的には参列しないほうがよいでしょう。

家族葬を行う理由は「故人の遺志」や「家族だけで静かに送りたい」「経済的に苦しい」「参列者への対応がわずらわしい」などがあげられます。

家族葬のお通夜に参列してほしいと連絡を受けない限りは、ご遺族の意志をくみ取って参列しないようにします。

どうしても故人とお別れをしたい人は、ご遺族からの書面に「参列をお断りします」や「遠慮します」など明確に記されていなければ、参列してもよいのか確認してもよいでしょう。

参列の判断基準

お通夜に参列すべき場合

ご遺族から家族葬のお通夜への参列願いを受け、日時や場所の詳細を知らされた場合は参列できます。

お通夜の日時や会場が明記されている場合、「参列していただけるなら受け付けます」とご遺族が考えている場合が多いです。

しかし「参列をご遠慮申し上げます」などの文言がない場合も、必ず参列してよいかをご遺族に確認することが大切です。

参列を控えた方がよい場合

訃報の知らせに、葬儀の日取りなどが知らされない場合は参列を控えたほうがよいです。

また「参列を遠慮します」「辞退します」など参列辞退の旨が明記されている場合においても、参列を控えるのがマナーです。

参列を控えても、「故人にお世話になったので、どうしてもお焼香したい」と考える方も多いです。

その場合は葬儀の後で、ご遺族に連絡を取って弔問に行くようにします。

お通夜の参列を辞退するときのマナー

家族葬で葬儀を執り行うと決めたとき、喪主側はお通夜や葬儀に参列を依頼する人を決めます。

訃報連絡を受けた方の中には、「故人と縁戚関係だから」「故人と親しくしていたのでお別れをしたい」など故人を心から弔いたいと考える人もいます。

しかし参列を辞退するということは、ご遺族の意志でその気持ちをお断りすることになります。

故人と親しくしてくださった方や関係者に失礼の無いよう、マナーを守ってお断りしましょう。

ここでは、家族葬への参列を辞退する際マナーについて解説します。

参列を辞退する旨をはっきり伝える

ご遺族は、相手の気持ちを傷つけないように、丁重に参列を辞退する案内を出します。

かといって曖昧にしては参列者が迷ってしまいます。

参列を辞退する場合は、辞退の旨をはっきりと伝えるようにしましょう。

お通夜や葬儀の参列を辞退するとき、訃報連絡の中で伝える内容は以下の通りです。

  • 故人並びに家族の遺志により家族葬で行うという旨
  • 一般参列者辞退のお願い
  • 香典・供花も辞退する旨

家族葬は、故人や家族の意志で参列をお断りする場合が多いです。

参列を辞退することで、「最後のお別れがしたい」と考える人の気持ちを傷つけることがあります。

そのことを踏まえて、丁重に参列を辞退する配慮が必要となります。

それでもお通夜に来ていただいた場合は、無理に断ることなく快く受け入れることが大切です。

また香典や供花、弔電をいただいた場合も受け取り、後日お礼をします。

また葬儀前に訃報連絡をしなかった方には、葬儀後に家族葬で無事葬儀が終了したことを事後報告しましょう。

会社への連絡はどうすればよいのか

会社関係の方には参列を辞退することがほとんどです。

では、会社への連絡はどうすればよいのでしょうか。

葬儀前に早めに連絡する

家族葬の参列を辞退する方には、葬儀後に事後報告することができます。

しかし、会社には事後報告できません。

会社へは葬儀前に早めに連絡しましょう。

会社に連絡をする際、家族葬で行うので会葬や香典などを辞退する旨をはっきり伝えます。

はっきり伝えないと、会社も参列するべきか判断に困るので非常に重要なことです。

故人の家族が働いている場合も、慶弔休暇や忌引き休暇を申請する必要があります。

そのため、ご遺族の会社関係者にも早めに連絡をする必要があります。

会社への参列辞退の連絡の文例

家族葬で行う場合、会社に参列辞退の旨の連絡をします。

会社への連絡では、明記すべきポイントがあります。

  • 社員または社員の近親者が亡くなったこと
  • 忌引き休暇を取ること
  • 家族葬で執り行うので、参列や香典、供花を辞退すること

以上のポイントを踏まえて、お通夜や葬儀の参列辞退の連絡をするときの例文をご紹介します。

謹啓 ○月○日

かねてより療養中の父○○が逝去いたしました。

故人の遺志により、家族や近親者のみで見送ることになりましたので、通夜並びに葬儀への参列はご遠慮させていただきます。

また、香典や供花、弔電などのお気遣いも故人の遺志により、辞退させていただきます。

生前のご厚情、厚く御礼申し上げます。 喪主

なお、通夜と葬儀を執り行うため、忌引き休暇を取らせていただきますが、よろしくお願いいたします。

以下の記事では、家族葬の場合の会社への対応についてさらに詳しく解説していますので、ぜひこちらもお読みください。

家族葬のお通夜に参列するときのマナー

では、家族葬のお通夜に参列するときのマナーをご紹介します。

家族葬は少人数なので、一般の葬儀よりラフなイメージを持たれるかもしれません。

しかし、れっきとした葬儀に変わりはありません。

家族葬のお通夜に参列するときも一般のお通夜と同様、故人を偲び節度を持つことが大切です。

喪服を着用する

家族葬のお通夜であっても、喪服を着用します。

参列者は準喪服を着用します。

男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルです。

「平服でお越しください」と案内があった場合、普段着を意味しているのではなく、略喪服を意味しているので注意しましょう。

カジュアルな服装は避け、落ち着いた色のダークスーツ・ワンピースやアンサンブルで参列します。

香典を用意する

喪家から香典辞退の連絡を受けた場合は、香典を用意する必要がありません。

ご遺族の気持ちに配慮して、無理に渡すことのないようにしましょう。

特に何も言われていなければ、一般の葬儀と同じようにのし袋で香典を用意します。

金額の相場は一般の葬儀の金額と同様です。

故人との関係や自身の年齢によって金額が変化します。

しかし渡すとき固辞された場合は、無理に渡さずに取り下げます。

ご遺族にお悔やみの言葉をかける

家族葬のお通夜でも一般の葬儀と同じように、ご遺族にお悔やみの言葉をかけます。

葬儀のとき使ってはいけない忌み言葉に注意しましょう。

  • 重ね言葉
    重ね重ね・返す返す・くれぐれも・いよいよ
  • 不吉な言葉
    消える・迷う・浮かばれない・とんでもないこと
  • 不幸が続くことを連想させる言葉
    再び・追って・引き続き・繰り返し
  • 生死の直接的な表現
    死ぬ・急死
    →ご他界
    生きる・生存・生きている頃
    →お元気でいた頃

家族葬の通夜に参列しない場合のマナー

家族葬の通夜に参列しない場合もマナーがあります。

家族葬では、ご遺族の負担にならないように配慮しましょう。

ここでは、家族葬の通夜に参列しない場合のマナーをご紹介します。

香典は用意するべきか

香典についても、ご遺族が辞退している場合は渡さないようにします。

ご遺族が香典を受け取っていない場合は、香典辞退と明記されていなくても送るのは控えます。

ご遺族が香典を受け取る場合で、お通夜に参列できないときもあります。

自身が参列できない場合は、香典を代理の人に預けて渡してもらいます。

また、自身が弔問に訪れるときに香典をご遺族に渡してもよいです。

郵送で送ることも失礼には当たりません。

供花は送ってもよいのか

家族葬に参列できない場合は、供花を送ります。

しかし香典と同じで送られた場合はお返しが必要になるので、ご遺族の負担になります。

ご遺族が供花を辞退していたら送りません。

供花が明確に断られていない場合は、送ってもよいかご遺族に確認をします。

弔電はどうするべきか

弔電については、特に辞退する明記がない限りは送っても問題はありません。

弔電はお返しをする必要がなく、お礼状だけで済むためご遺族の負担になりません。
弔電は、お通夜や葬儀に間に合うように送るのが礼儀です。

家族葬後に弔問してもよいのか

家族葬のお通夜や葬儀に参列しなかった場合は、日を改めて弔問に訪れることがあります。

弔問する場合でも、ご遺族の気持ちを1番に考えるようにします。

葬儀後に弔問する場合は、必ずご遺族の意向を確認します。

家族葬後、ご遺族は大勢の弔問客の対応に負担を感じてしまいます。

ご遺族の同意を得た場合のみ、弔問に行くようにしてください。

辞退された場合は、手紙などで弔意を伝えるとよいでしょう。

葬儀後に弔問する場合、喪服は着用しないようにします。

喪服で行くことは、これから日常生活を送ろうとしているご遺族に葬儀を連想させてしまいます。

弔問に行く際は、落ち着いた色の私服で行くようにしましょう。

ご遺族に嫌な気持ちをさせないためにも、服装には注意が必要です。

まとめ

本記事では、家族葬の通夜の参列について解説してきました。

内容をまとめると以下の通りです。

  • 家族葬のお通夜は家族や親族、特に親しかった人のみとなり、故人の遺志やご遺族の判断で決める
  • お通夜にはご遺族から案内があったときのみ参列するのがマナーである
  • 訃報連絡の中で葬儀の詳細が伝えられた場合は参列してよい
  • 会社へは早めに連絡をして、家族葬であることを明確にしておく
  • 家族葬のお通夜に参列するときは、喪服で香典を用意していくが辞退されたら取り下げる
  • ご遺族にお悔やみを述べるときは忌み言葉に注意する
  • 家族葬後に弔問するときは

家族葬でお通夜や葬儀に参列する場合は、ご遺族の意志を確認することが大切です。

よかれと思ったことでもご遺族の負担になる事があります。

家族葬のお通夜に参列する人は、故人やご遺族の気持ちに寄り添うようにしましょう。

新盆(初盆)を家族だけで行う場合の準備とは?

2023年6月20日

新盆(初盆)を家族だけで行う場合の準備とは? 当日の流れや服装を解説します

新盆は、故人の四十九日が明けて、初めて迎えるお盆です。最近は新盆を家族だけで行う場合も増えてきました。本記事では、家族だけで新盆を行う場合のやりかたや準備方法、服装について解説します。

新盆(初盆)を家族だけで行う際の注意点

新盆には、親戚や故人と親交の深かった方を呼ぶのが一般的ですが、特に決まりはありません。

葬儀や法要など簡略化傾向にあり、近年では新盆をマンションなどで簡易的に行うことも多くなってきています。

そのため、新盆を家族だけで行っても問題ありません。

新盆には葬儀や四十九日法要に参加された方が、お線香をあげに来てくれるでしょう。

その際の対応をきちんとすれば、新盆の法要やお墓参りは家族だけで行っても問題はありません。

家族だけで執り行う場合は、あらかじめ周囲に通知しておいたほうがよいです。

また、家族だけで法要を行うつもりでいても、新盆の法要に参加するつもりで来る方もいるかと思います。

親戚や知人との関係を悪くさせない意味でも、行き違いが生じないよう事前に連絡することを忘れないでください。

ただし、地域によっては昔ながらのしきたりを重んじる場合もあります。

不安に思う方は、地域の詳しい人に聞くなどして対応することをおすすめします。

家族だけの新盆(初盆)の準備

アパートやマンション暮らしの場合、昔ながらの新盆の慣習をそのまま行うには無理があるかと思います。

また、家族だけで新盆を行う場合でも最低限は慣習に沿って行いたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
新盆に向け準備すべき飾りについて、説明します。

白提灯を飾る

盆提灯は2種類あります。

白提灯と絵柄の入った提灯です。

新盆には白提灯を使います。

故人や先祖の霊が迷わず辿り着けるように目印とするものです。

戸建ての家なら玄関か軒先、マンションの場合はベランダか仏壇の脇、もしくは玄関の内側に吊るすのがよいでしょう。

新盆の白提灯は、一度限りの使用になります。

使用後は、送り火と一緒に燃やすか、菩提寺で供養してもらいます。

法要をお願いする際に白提灯の処分方法を確認しておくのがよいでしょう。

精霊棚の飾り付け

先祖の霊を迎えるための棚になります。

盆棚とも言われています。

精霊棚は仏壇の前に飾り付けます。

お供え物の用意

初盆には食べ物やお花をお供えします。

お菓子や季節の果物がお供え物の定番ですが、終わった後にみんなで分けられるゼリーや水羊かん、ジュース類も人気があります。

それ以外にも、故人が好きだった物を供えてあげるのがよいと思います。

お花は菊やリンドウ、ミソハギが一般的です。

地域や宗教によっては制約がある場合があるため、確認して選ぶようにしてください。

お坊さんを手配する

新盆には法要を行うため、お坊さんの手配をしなければなりません。

僧侶もお盆は忙しい時期です。

早めに連絡を取って日時を決めたほうがよいでしょう。

遅くても1カ月前には決めておきたいものです。

その際、白提灯の処分方法も聞いておけば後で困ることもないと思います。

家族だけの新盆の流れ

故人にとって、初めてのお盆であるため、家族だけで行うとしても手厚くお迎えしたいですよね。

その場合の新盆の流れを以下に説明しますので参考にしてください。

  • 事前準備(1カ月前には済ませておく事をお勧めします)法要の日程を確定します。
  • 新盆準備(12日)精霊棚、精霊馬、新盆用提灯(白提灯)、お供え物を準備します。
  • 盆の入り(13日)迎え火を焚いて故人や先祖の霊を家に招きます。
  • 盆中日(14~15日)僧侶を招いて法要をしていただきます。
  • 盆明け(16日)迎え火と同じ場所に送り火を焚き家に招いた故人や先祖の霊に帰っていただきます。

新盆は行いたいけど、アパートやマンションのため簡素化したいという方は、以下に流れを一例として説明しますので参考にしてみてください。

  • 新盆準備・僧侶に読経を依頼
    ・新盆の飾り付けセットを購入
    ・親戚や知人に法要は家族のみで行うことを通知
  • 新盆法要当日・白提灯にあかりを灯す
    ・僧侶のお経をあげてもらい見送る
    ・自宅か近くの店で家族のみで会食

家族だけで新盆を行う際の服装

新盆は喪服または礼服が基本とされており、それらを着れば間違いはないでしょう。

ただし、最近では新盆の案内状に「平服でお越しください」と書かれている場合が多く、平服で行う地域も増えてきています。

平服というと普段着を想像してしまうかもしれませんが、喪服や礼服より少しカジュアルでもよいということです。

 

服装について簡単にまとめましたので参考にしてみてください。

  • 男性の場合・喪服や礼服が一番無難
    ・平服の場合は黒、紺、暗いグレーなど地味な色を着用
    ・シャツは白無地
    ・暑い場合は上着やネクタイはしなくてもよい
    ・靴下は黒、紺、暗いグレーなど地味な色
    ・靴は黒
  • 女性の場合・黒のスーツかワンピースが最も無難
    ・スーツの場合は白無地のシャツを着用
    ・ストッキングは黒か肌色
    ・靴下の場合は黒
    ・靴は黒のパンプスが無難
    ・平服の場合は黒、紺、暗いグレーなどのワンピースまたは白のブラウスに
    黒、紺、暗いグレーのスカートかパンツ
    ・アクセサリーはパールのネックレスかイヤリング

まとめ

今回の内容をまとめると、以下の通りです。

  • 新盆では通常のお盆に対し僧侶を呼んで法要を行う
  • 新盆に呼ぶ人に決まりはないため家族だけで行っても問題はない
  • 新盆は自宅で行うのが望ましいが難しい場合は部屋を借りてもよい
  • 新盆の服装は地味であれば平服でもよい
  • 遅くても1カ月前には法要の日にちを決定しておく
  • 新盆の飾り付けを準備する
  • 新盆を家族だけで行う場合は前もって親戚や知人に通知する

新盆は故人にとって初めてのお盆でもあるため家族だけであっても、事前準備を滞りなくしておくことで安心して故人を偲ぶことができるのではないでしょうか。

本籍の調べかたを知っていますか? 確認方法を解説します

2022年4月1日

婚姻届の提出やパスポートの取得の際には戸籍証明書が必要ですが、戸籍証明書は本籍地の市区町村でしか発行してもらえません。戸籍証明書をどこに請求したらいいのか、自分の本籍地がわからなくなってしまった場合の調べかたをご存知ですか?本記事では、本籍地の確認方法をご紹介します。

本籍地とは?

本籍地とは、戸籍が管理・保管されているされている市区町村のことです。

本籍地は、転籍届を出すときや、結婚・養子縁組などの戸籍編成をするときに変更ができるため、出生地の市区町村や現在の住所地とは限りません。

結婚や離婚などのタイミングで変えていることも十分に考えられますね。

本籍地はどこでもよいの?

本籍地は日本国内であれば好きな所で登録する事が可能です。皇居や国会議事堂、東京ディズニーランドなどの人気の観光スポットを本籍地として登録する人もいるようです。

ただし、注意が必要なのは、いざ戸籍謄本などが必要になった場合に、本籍地の市区町村でないと発行できないという点です。

郵送での手続きも可能ですが、やはり時間と費用がかかりますので、その点はあらかじめよく考えたほうがよさそうです。

本籍地の確認方法

身内に聞く

当たり前ですが、まずは親兄弟や親族などに聞いてみてるのが一番早い調べかたかもしれません。

過去の書類から調べる

昔取得した戸籍謄本や抄本、または本籍地記載の住民票があればわかります。

もちろん、その書類が発行された日付以降に、本籍地を変更していない場合に限られた調べかたです。

運転免許証で調べる

これは、昔の免許証を使う調べかたです。

現在のICチップ入りの運転免許証からは、個人情報保護の観点によって本籍地の記載はされなくなりました。

ですが、以前の古い運転免許証には本籍地が地番まで記載されていますので、もし処分していないようなら古い運転免許証を探すのも一つの方法ですね。

この場合も、昔の書類同様に、その免許証の更新後に本籍地を変更していない場合に限られる調べかたです。

警察署で調べる

こちらは昔の免許証を使う調べかたではなく、今の免許証を使う調べかたです。

免許証の更新時に4桁の番号を2種類入力したのを覚えていますか?

その暗証番号を使えば、警察署や免許試験場、免許センターに設置してある「IC免許証記載内容下記人装置」で確認ができます。

現在の運転免許証はICチップが埋め込まれていて、それによって個人情報を管理しているのです。

ただし、暗証番号は3回間違えるとロックされてしまいますので十分注意しましょう。

暗証番号の記憶が曖昧な場合や実際にロックされてしまった場合は、運転免許証持参のうえで警察署もしくは免許証更新センターの窓口に直接出向いて手続きしましょう。

電話での問い合わせには対応していませんので、注意が必要です。

運転免許証の更新が近い場合にはおすすめの調べかたですね。

住民票で調べる

これが一番一般的な調べかたかと思いますが、現在住所登録している市区町村の役場で、住民票を請求するという方法があります。

住民票の写しを請求する際に書く申請用紙には、本籍地と筆頭者を記載するかどうか選択する欄がありますので、そこで「記載する」ほうを選べばいいわけです。

ただし、住民票の写しの発行は有料ですのでご注意ください。

住民票は住民基本台帳カードやマイナンバーカードを使って、コンビニ交付で取得することもできます。事前にいずれかのカードを持っている方には便利な調べかたですね。

ですが、サービスをしていない市区町村もありますので、事前に確認することをおすすめします。

まとめ

今回の記事をまとめると、以下のようになります。

・本籍地とは、戸籍が管理・保管されているされている市区町村のことである

・本籍地は日本国内の好きな所で登録できるが、いざ戸籍謄本などが必要な場合、本籍地の市区町村でないと発行できないので注意が必要

・調べかたとして、身内に聞く・過去の書類から調べる・運転免許証で調べる・警察署で調べる・住民票で調べる方法がある

本籍地は、住所と違って記入する機会も少ないのであまり身近に感じられませんが、大事な場面で必要になったりします。

必要なときにすぐ調べられるようにしておきましょう。

四十九日(七七日忌)法要の当日の流れを知っていますか? 所要時間とともに解説します

2022年3月9日

四十九日法要の当日の流れをご存知でしょうか?四十九日には参加したことがなくて流れについて知りたいという方や、近々出席する予定があり、日程調整のため所要時間を把握しておきたいという方は多いでしょう。そこで今回は四十九日法要の当日の流れについて解説していきます。

四十九日法要の当日の流れ

寺院で行う場合

家族だけで法要を希望される方などは自宅で四十九日法要をすることが多いですが、寺院で行うと、法要後に納骨を合わせて行うことができることから、寺院で四十九日法要を選ばれる方もいます。

開式

四十九日法要というと、いきなり読経から始まるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

ですがそもそも法要は施主が行うものであるため、僧侶を仏壇の前に案内したあとには施主が簡単に開式の挨拶を行います。

読経・焼香

施主からの挨拶の後には僧侶による読経及び焼香が行われます。

焼香の順番としましては、まず施主から行いその後に故人の親族等が行い、次に故人の友人・知人という順で行います。

焼香のしかたについては、基本的に、右手の親指・人指し指・中指の3本で抹香をつまみ、額に押しいただきます。

その後、指をこすりながら香炉の中に落とします。

以上の動作を1〜3回行いますが、回数については宗派ごとに決まりがありますので事前に確認しておきましょう。

僧侶の説話

説話とは、僧侶が法要等の参加者に対しお話をすることを言います。

説話の内容については僧侶により様々ですが、基本的には仏法に関する身のためになるお話がされることが多いようです。

各位牌の閉眼・開眼供養

説話の後には各位牌の閉眼・開眼供養が行われます。

ここで、閉眼供養とは故人の魂が宿っていたものからその魂を抜く法要をいい、一方で開眼供養とはあたらしいものに故人の魂を宿らせる法要のことをいいます。

仏教においては、葬儀の時点では白木の仮位牌(かりいはい)に故人の魂が宿るとされています。

その仮位牌から黒い漆塗りの本位牌に魂を移すのが、四十九日法要における閉眼・開眼供養の内容といえます。

お墓の彫刻の依頼

一般的には四十九日法要のときにあわせて納骨を行うため、四十九日法要までに彫刻をすでに行なっているケースが多いです。

しかし遺族の気持ちの整理がつかなかったり、お墓が決まっていない場合もあります。

彫刻がまだの場合には、四十九日法要のときにお墓の彫刻の依頼をしましょう。

納骨・お墓参り

すでにお墓があるような場合には、開眼・閉眼供養の後に納骨・お墓参りが行われます。

お寺で四十九日法要を行う場合には、そのままお墓に向かうことができるので移動をする必要がないというメリットがあるといえます。

会食

納骨・お墓参りの後には、会食が行われることが一般的です。

この会食のことは「お斎(おとき)」と呼び、参加者や僧侶への感謝を示すとともに一同で故人を偲ぶために行われると言われています。

また、会食の際には、引き出物を一緒に渡すのが一般的です。

自宅で行う場合

次に、四十九日法要を自宅で行う場合について説明していきます。

基本的な法要の流れに関しては、お寺で行う場合と変わりはありません。

ですが自宅で四十九日法要を行う場合には、お寺で行う場合とは別に配慮しなければならない点があるので、それについて説明していきます。

僧侶の往来方法の確認

自宅で四十九日法要を行う場合には自宅に僧侶を招かなければならないので、開式の前に僧侶を迎えに行く必要があるか確認しておきましょうお迎えにいく場合、自宅からお寺への距離や交通状況も考慮した上で、四十九日法要に間に合うよう余裕をもって送迎をするとよいでしょう。

仏壇の開眼供養

故人のために新しく仏壇を購入した場合には、仏壇の開眼供養をする必要があります。

仏壇の開眼供養の時期については四十九日法要の前に別途で行ってもよいですが、四十九日法要と合わせて行うことも多いです。

もっとも、四十九日法要と合わせて行う場合には四十九日法要の前に行わなければならないので、仏壇の開眼供養→四十九日法要という流れになります。

四十九日法要の所要時間

四十九日法要の所用時間はどれくらいなのでしょうか?

出席するための日程調整や施主として何時から始めるのかを考えるためにも、四十九日法要の所要時間については知っておきたいですよね。

以下では、四十九日法要の始める時間と所要時間について解説していきたいと思います。

始める時間帯は?

結論からいうと、始める時間は午前でも午後でも問題ないです。

一般的には午前10時から始めて、昼食時に会食を行うケースが多いようです。

法要を土日に行う場合にはお寺との都合が合わない場合もありますので、お寺の都合のつく時間を考慮したうえで始める時間を決める必要があるでしょう。

また、始まる時間によっては会食の内容を軽食にするなどの配慮をする必要があるでしょう。

会食の内容を考慮したうえで始める時間を決めるとよいでしょう。

法要全体でかかる時間

法要全体でかかる時間は内容によって多少の幅がありますが、一般的には午前10時から四十九日法要を始め、お昼からは会食をすることが多いです。

ですので所要時間としてはおおよそ3時間が目安といえるでしょう。

会食がない場合は、所要時間としてはおよそ1時間が目安時間になります。

まとめ

今回の記事の内容をまとめると、次のようになります。

  • 四十九日をお寺で行う場合の流れは「開始の挨拶→読経・焼香→僧侶の説話→各位牌の閉眼、開眼供養→お墓の彫刻依頼→納骨・お墓参り→会食」である
  • 四十九日を自宅で行う場合には「僧侶の送迎→仏壇の開眼供養」を最初に行い、それ以降は、お寺で行う場合と同様の流れである
  • 四十九日法要にかかる所要時間は、会食のある場合で約3時間、会食のない場合には約1時間である

当日の流れを理解することは事前準備の際に役立ちます。この記事が、四十九日法要を行う、もしくは参加する際に少しでも参考になれば幸いです。

墓じまい後のご遺骨について。 様々な方法をケース別にご紹介します

2024年8月18日

墓じまい後のご遺骨について。 様々な方法をケース別にご紹介します

近年、お墓を引き継ぐ人が見つからないために、墓じまいを検討する人が増えてきています。たしかに、墓じまいをすることでそれまで守ってきたお墓について一区切り整理をつけることができます。しかし、墓じまいをする際に、ご遺骨をどのようにすべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。今回は、墓じまいの際のご遺骨の取り扱いについてみていきます。

ご遺骨を新しいお墓に移す場合

墓じまい後の選択肢としてよくみられるのが、新しく建てた別のお墓に移す、いわゆる改葬というものです。

改葬には決まった手順や手続きを踏む必要があります。

ここでは、改葬の際に踏むべき手順や手続き、そして改葬の際にご遺骨をまとめる際の方法についてみていきましょう。

改葬の手順

改葬の手順については端的に説明すれば、以下のような順序になります。

地区によって提出書類が異なることもあるので、各地区に合わせた書類の準備を心がけてください。

  • 移動先を決めて移動先墓地の管理人に「受入証明書」を発行してもらう
    (納骨時期を逆算してお墓建立の契約しておく)
  • 既存の墓地の管理人に「埋蔵証明証」を発行してもらう
  • 既存の墓地のある地区の役所で「改葬許可証」の発行
    (葬許可書発行手数料は1000円程度)
  • 役所に改葬許可申請書・埋葬証明書・受入証明書などを提出
  • お骨取り出し⇨移動・納骨

手順にはないですが、親族や寺院や霊園への相談も大切です。

特に、親族への相談は前もってきちんとやっておかなければ、あとあとトラブルのもとになります。

改葬の目的や理由、お墓の移転などに必要な費用の分担などを相談するようにしましょう。

そして、それまでお墓を管理してくれた寺院や霊園への相談も綿密かつ慎重に行いましょう。

というのも、改葬は寺院や霊園にとってあまりうれしい話ではありません。むしろ檀家や顧客が減る、マイナス要素の話と考えられるからです。

このため、向こうの気持ちを汲み取りつつ、穏やかに話を進めるようにしましょう。

ご遺骨をまとめる場合

改葬の際に、納骨してあった故人のご遺骨が多く、移転先のお墓に入りきらないというケースも少なくありません。

このような場合は一体どうしたらよいのでしょうか?

この場合はご遺骨をまとめるという選択肢がとられますが、そのための方法は2つ挙げられます。

1つめは、骨壺を納めるカロートの土に直接接している部分に、ある程度古くなった(三十三周忌や五十周忌)ご遺骨を取り出して広げるというものです。

こうすることにより、お墓の土という自然の中に還すことができます。

もう1つの方法は、古くなったご遺骨を1つの骨壺にまとめて納めるという方法です。

この方法は、上記の方法をとろうにもカロートに土の部分が全くないという場合に使うことができます。

この方法をとる場合、取り出したご遺骨を骨壺に入れる前に粉骨すれば、それだけ多くのご遺骨をまとめて納めることが可能です。

いずれの方法を用いても納骨に必要な骨壺が減る分、カロートのスペースにも余裕が出てくるため、将来的に新しく納骨することになってもスペースの心配がなく安心することができます。

墓じまい後にご遺骨を管理できない場合

墓じまいをする際にご遺骨を管理することができないというケースもあります。

ここでは、そのような場合にどのような方法があり、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるかをみていきます。

どれも一長一短があるので、どの方法が最も故人が喜びそうか、また遺族にとって適したものかをよく吟味することが大切です。

永代供養する

ご遺骨を管理できない場合によくとられる方法の1つが永代供養です。

永代供養とは、お墓の管理者がお墓の管理だけでなく供養までを一括してまかせられる方式の供養のことで、近年お墓の供養ができない人が増えている状況を受けて利用者が増えています。

このため、供養や管理に関しては料金さえ払っていれば、あとは定期的にお参りするだと手間がほとんどかかりません。

なお、「永代」という言葉から、未来永劫にわたって故人のお墓の管理や供養をやってもらえると誤解する人も多いのですが、ここでいう「永代」とはあくまでもある程度の一定期間(三十三回忌や五十回忌までなど)であるため、契約の際は契約内容をよくチェックしておくようにしましょう。

また、管理者が倒産した場合は、契約の途中でも永代供養が打ち切りになるので注意が必要です。

さて、永代供養ではご遺骨は合祀墓(永代供養墓)や、個人墓もしくは納骨堂に納められます。

どのタイプの納骨をされるかによっても料金が大きく異なってきますので、その点はあらかじめ留意しておきましょう。

そして、合祀墓に納骨された場合は、途中で取り出すことができませんので、それについても注意が必要です。

手元供養する

いっそのこと、自宅で個人のご遺骨を供養する、手元供養という方法をとる人もいます。

具体的には、ミニ骨壺などにご遺骨を入れて毎日のように管理・供養するというものです。

故人を身近に感じつつ毎日を過ごしたいという人にとってはこの方法が合っているといえます。

ただし、永代供養に比べると自分たちでいろいろと供養しなければいけない要素が強いため、そういうことにまめな人に向いているといえます。

散骨する

近年では、葬儀の方法も多様化しているため、散骨という方法でご遺骨を処理するという人も増えています。

散骨で特に多いパターンが、海に還す海洋散骨や、山奥で散骨する山岳散骨です。

故人が自然に還したいという遺志があった場合や、これ以上お墓の管理が難しいという場合にとることのできる方法といえます。

ただし、散骨を行うには、散骨する場所の管理者や利用者などに対する配慮が必要です。

例えば、海洋散骨を行う場合は海水浴場の近くや漁場などで行うと、そこの利用者と民事上のトラブルになりかねませんので、トラブルが起こりそうになり海域で散骨することが大切です。

さらに、散骨に先立って粉骨という処理が必要です。

粉骨とは、ご遺骨を2㎜以下の大きさにまで細かくすることです。

そして、散骨のしかたによっては天候などに左右される場合もあるので、あらかじめ理解しておくようにしましょう。

樹木葬にする

ご遺骨を自然に還す、樹木葬も近年注目されている方法です。

これは、墓石代わりに樹木(低木)を植えて、そのたもとにご遺骨を埋葬するというものです。

墓地に専用の区画を設けて、そこで樹木葬をするパターンが多く、個人用のスペースから家族用のスペースまでいろいろ用意されているため、納骨し直す骨壺の数に合わせて選ぶことができます。

自然に還すという方法の1つであるうえ、里山保全にも一役買う方法であるため、環境意識の強い人に特に向いているといえます。

ですが、地方の山奥での樹木葬は、アクセスなどの問題も発生することがありますので、場所の選定で悩む場合があるということも留意しておいてください。

きちんと墓じまいをしないとご遺骨はどうなる?

もしも、お墓の跡継ぎがいなくて墓じまいそのものができない場合、そのお墓や中に納められているご遺骨はどうなるのでしょうか?

この場合、その墓のある墓地の管理者(寺院や霊園)は法律(墓埋法=墓地、埋葬等に関する法律)に基づいて1年の期限で縁故者を探すことになります。

具体的には、役所の出す官報や墓地の中に立てる立札にお墓に眠る故人の縁故者を探している旨を記載します。

もし、この周知にもかかわらず縁故者が見つからないまま1年が経った場合は、そのお墓に眠る故人は無縁仏として扱われます。

そして、ご遺骨がとりだされた後で、無縁仏供養塔に合祀され、お墓も撤去されます。

なお、一度合祀された無縁仏のご遺骨は取り出すことはできません。

無縁仏にしないためには、改葬をして、永代供養にするのがおすすめです。

まとめ

今回の記事の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 改葬する場合、移転元のお墓の管理者から埋葬証明書を、移転先のお墓の管理者から受入証明書を発行してもらい、それに改葬許可証申請書を添えて役所に提出する。数日後に発行される改葬許可証を入手して、初めて改葬ができる
  • 墓じまいの後でご遺骨を管理できない場合は、永代供養や散骨などの方法がある。いずれも一長一短があるため、どの方法が最も故人が喜びそうか、またご遺族にとって適したものかをよく吟味することが大切
  • 墓じまいすらできない場合は、そのお墓のある墓地の管理者が法律に基づいて、1年間縁故者を探すことになる。1年経っても縁故者が見つからない場合、ご遺骨は無縁仏として合祀され、お墓も撤去される

このように墓じまいを行った後のご遺骨の取り扱いについてはさまざまですが、どの方法が適切であるかは遺族によりけりです。

そのため、墓じまいを検討する段階で親族同士やお墓を管理する寺院・霊園と綿密に相談や検討をすることが大切です。

お通夜での焼香のやりかたは? 手順や宗派による違いを解説します

2022年1月28日

お通夜での焼香には、通夜が行われる場所によって、立礼焼香、座礼焼香、回し焼香の3種類のやりかたがありますが、焼香の動作自体は同じです。自分の宗派のやりかたで焼香すればよいのです。この記事でしっかり覚えて、お通夜に参列してください。

お通夜での焼香のやりかたは? 手順や宗派による違いを解説します

通夜での焼香のやりかた

通夜での焼香のやりかたにも、立礼焼香、座礼焼香、回し焼香の3つがあります。

これらは、それぞれ、立って行うか、座って行うか、香炉を回して行うかの違いです。

専用式場で行う通夜では「立礼焼香」がほとんどです。

立礼焼香のやりかた

焼香台へ向かう

前の順番の人が着席し、自分の順番になったら周りに会釈をして席を立ちます。

焼香台の2,3歩前まで進み、ご遺族と僧侶に対して一礼します。

次に祭壇のほうを向き、焼香台の前へ一歩進み、遺影や位牌に向かって一礼または合掌します。

焼香する

焼香台には抹香と香炉が準備されています。

香炉の配置は向かって右側が抹香、左側に香炉が置かれています。

最近では抹香入れと香炉が1つになっているものが使用されていることも多いです。

抹香のつまみかたは右手の親指、人差し指、中指の3本の指でつまむようにします。

抹香を香炉にくべる回数は、1〜3回の範囲内で、回数や作法は宗派ごとに異なります。

自分の席へ戻る

焼香を終えたら、遺影に向かって合掌して一礼します。

次いで焼香台から1歩下がり、再び遺族に向かって一礼します。

そして、自分の席へ戻ります。

座礼焼香のやりかた

通夜を自宅や和室などで行う場合は「座礼焼香」で行われます。

自分の席が焼香台から遠い場合は中腰の姿勢で立って焼香台へ移動します。

焼香台までの距離が近い場合は膝行・膝退というやりかたで立ち上がらずに焼香台まで移動します。

焼香の流れは立礼焼香と同様です。

回し焼香のやりかた

通夜の式場が狭く、移動しづらい会場では「回し焼香」で行われます。

香炉と抹香が載ったお盆が順に回ってきます。

軽く礼をして受け取ったら、自分の前か膝の上にお盆を置いて焼香を行い、次の人にお盆を回します。

宗派別のお通夜での焼香のやりかた

主な宗派について、抹香焼香のやりかたと、線香焼香の場合の立てる線香の本数を紹介します。

天台宗

焼香の回数も、額に押しいただくかも自由です。

線香焼香の場合は線香を3本立てます。

真言宗

焼香3回、抹香をくべる前に額に押しいただきます。

線香焼香の場合は線香を3本立てます。

曹洞宗

焼香は2回で、1回目には額に押しいただきますが2回目は押しいただきません。

線香焼香の場合は1本立てます。

真宗大谷派

焼香は2回で、額に押しいただきません。

線香焼香の場合は1本を折って寝かせます。

臨済宗

焼香回数は基本的に1回ですが、3回の場合もあります。

額に押しいただかないのが一般的ですが、押しいただいてもよいとされています。

線香焼香の場合は1本立てます。

浄土真宗本願寺派

焼香は1回、香を額に押しいただきません。

線香焼香の場合は1本を折って寝かせます。

浄土宗

焼香は1~3回で自由、香を額に押しいただきます。

線香焼香の場合は線香は1本立てます。

日蓮宗

宗派や地方によって異なりますが、焼香は1回または3回で、額に押しいただきません。

線香焼香の場合は線香は1本か3本を立てます。

お通夜での線香焼香

最近は通夜や告別式では、一般的に抹香を用いた抹香焼香で行われるようになりました。

線香に火をつけるのに時間がかかるためでしょう。

線香焼香は、主に、故人の家に弔問したり、自家で日常的にお参りするときなどに用いられます。

通常は線香焼香をすることを「線香を上げる」と言います。

とはいえ、通夜や告別式で線香を用いる線香焼香で行われることも、たまにはあります。

そこで線香焼香のやりかたを紹介しておきます。

線香焼香のやりかた

  • 線香をとる数珠は左手に掛け、線香は空いている右手で取ります。
    宗教・宗派ごとに決まっている本数の線香を取ります。
  • 線香に火をつける線香が2本,3本の場合でも一度で火をつけます。
    火は、息を吹きかけて消すのはマナー違反なので、つかんだ右手を振ったり、左手で仰いで消します。
  • 線香をたてる他の列席者があげた線香に触れないように立てます。
    なお、宗派によっては、線香を寝かせた状態で置くやりかたもあります。

まとめ

ここまで通夜での焼香のやりかたについていろいろと紹介してきました。

本記事の内容を以下にまとめます。

  • 焼香のやりかたには、一般的に知られている「立礼焼香」、焼香台で座って行う「座礼焼香」、座ったまま香炉と抹香を隣の人へ回す「回し焼香」の3種類ある
  • 焼香のやりかたは、宗教ごとに異なる
  • 最近の通夜や告別式では線香焼香ではなく抹香焼香が主流である

通夜の参列者が多い場合などには、自分の宗派の焼香回数が3回であっても1回で済ませるほうがよいようです。

焼香のやりかたについて、しっかり覚えて、自信をもってお通夜に参列してください。

仏壇はいらないという人が増えている? 理由や仏壇以外の供養方法について解説します

2023年12月10日

日本の代表的な宗教と言えば仏教なので、各家庭に仏壇が置かれている光景も珍しくありません。しかし、近年では仏壇をいらないと感じている人が増えてきています。今までは仏壇に手を合わせることが当たり前に行われてきたため、仏壇も必須のものとされてきましたが、そういった風習と真逆の考えが出てきたのはなぜでしょうか。この記事では、仏壇はいらないという考えかたについて解説します。

 仏壇はいらないという人が増えている? 理由や仏壇以外の供養方法について解説します

仏壇が必要とされてきた理由

仏壇が必要な理由としては、ご先祖様への供養することが挙げられます。

そもそも仏壇は小さなお寺を表現したものです。

そのため、自宅でいつでも手を合わせ、ご先祖様の供養をすることができます。

また、毎日手を合わせることで気持ちを落ち着かせるという効果もあります。

仏壇をいらないと考えるのはなぜか

近年、仏壇を必要ないと考える人が増えていると先述しました。

しかし、そう考えるに至った理由は人によってさまざまです。

一体どんな理由があるのでしょうか。

部屋に置ける場所がない

理由として、部屋に仏壇を置ける場所がない点が挙げられます。

例えば自宅が一軒家だった場合、部屋の数は多いので仏壇を置く場所を用意することは簡単にできるでしょう。

しかし、中にはアパートやマンションのように、部屋数があまり多くない賃貸住宅に住んでいる人もいます。

狭い場所に無理矢理置くことは出来るかもしれませんが、それで普段の生活に支障が出る可能性も考えられます。

仏壇を置きたくても、置き場所が確保出来ないから諦める人は多いです。

信仰心がない

仏壇を置かない理由には信仰心がないというのも大きいです。

先述したように、仏壇は仏教と深いつながりがあるため、仏教徒が仏壇を所有しているのはごく自然なことです。

しかし、仏教以外の宗教を信仰していた場合、仏壇を置く必要性はありません。

例えば神道なら神棚、キリスト教なら祭壇というように、宗教によって家庭用の礼拝対象は異なるからです。

日本人の宗教観でよく言われるのが「元旦は神道、結婚式はキリスト教式、葬儀は仏教」というものです。

複数の宗教を受容している点から、信仰心が全くないというのは不正確ではないかといわれています。

ただ、熱心な信者は少ないため、家が仏教でも仏壇に対する執着心は薄いのです。

場所をとり邪魔になるため

大きくて邪魔になるという理由で、仏壇はいらないという人もいます。

自宅が狭いと仏壇を置く場所を確保するのが難しいと先述しました。

その上、仏壇そのものが大きければさらに置く場所がなくなり、日常生活の妨げになることでしょう。

仏壇のサイズは色々ありますが、比較的大型の仏壇が多いです。

昔は仏壇は大きければ大きいほどよいという考えが一般的でした。

さらに広い部屋に小型の仏壇を置くのは見栄えが悪い、供養対象の仏様に喜んでほしいなど、さまざまな理由から大型の仏壇が好まれていたのです。

しかし、ライフスタイルや価値観の変化、費用がかさむなどの理由で上記のような考えは減りつつあります。

無宗教の人が多いため

無宗教の人が多いことも仏壇を置かない理由の一つです。

仏壇が一般庶民に広く普及したのは、江戸時代にあったキリシタン禁制がきっかけです。

キリスト教を排除するため、キリシタン禁制に伴い、檀家制度が作られました。

檀家制度はお寺の檀家になることを強制するものであり、これを拒否したらキリスト教徒として処刑されることになります。

そのため、多くの人が仏教徒の証明として檀家になり、仏壇を置く家庭が急増したのです。

しかし、現代では自分の宗教を自分で選択できる自由があるので、無宗教であっても問題ありません。

無宗教なので、部屋のインテリアに合わないからという理由だけで、置いていた仏壇を処分する場合もあります。

仏壇がない場合の供養

故人の供養だけが目的であれば、仏壇にこだわる必要はありません。

しかし、仏壇の代わりとして他にどんな供養方法があるのでしょうか。

永代供養のお墓

永代供養墓はご遺族の代わりにお寺や霊園がご遺骨の管理・供養をすることです。

仏壇を部屋に置かなくてもお墓があるから問題ないという人はいます。

しかし、一般的なお墓の費用は高いため、お墓以外の供養を求める人も多いです。

その点、永代供養墓はお寺や霊園側でお墓を用意してくれますし、費用も一般的なお墓より安く済みます。

また、お墓の管理もしてくれるため、仏壇のように手入れをする必要もありません。

しかし、永代供養墓には個別墓と合祀墓があり、後者は他人のご遺骨と一緒に一つのお墓にまとめて埋葬します。

この場合、後から個別にご遺骨を取り出すことは不可能です。

樹木葬

樹木葬は樹木をお墓の代わりにして、その根元にご遺骨を埋葬し、供養することです。

樹木葬の種類は大きく分けて都市型、ガーデニング型、里山型の3つあります。

都市型は公園型とも呼ばれ、整備された敷地内に樹木を植え、その周りにご遺骨を埋葬します。

ガーデニング型は一言で表すなら手入れの行き届いた庭園です。

他の種類よりも敷地が狭い場合が多いため、大きい樹木よりも数多くの植物を植えられている傾向が強いです。

里山型はご遺骨を埋葬する場所が文字通り山の中という点が大きな特徴と言えるでしょう。

ただ、里山型の場合は都市部から離れているため、お参りに時間がかかります。

納骨堂

納骨堂はご遺骨を地面に埋葬するのではなく、屋内に安置し、管理する場所です。

昔の納骨堂は、まだお墓を建てていない人がご遺骨を一時的に預ける場所という役割を持っていました。

しかし、現代ではお墓や仏壇として納骨堂を利用する人が増加しています。

納骨堂はご遺骨の管理を一任出来る上に費用もお墓より安いです。

さらに交通の便がよい場所にあるため、近ければ仕事帰りに気軽に立ち寄ることも出来ます。

納骨堂の種類には小さいタイプの仏壇式、四角形のお壇がずらりと並ぶロッカー式、タッチパネルで操作してご遺骨を移動させる機械式、位牌に向かって合掌する位牌式などがあります。

散骨

散骨はご遺骨を粉状に砕き、自然の中へばら撒くという供養方法です。

散骨は宗教や宗派を問わないため、仏壇がいらない人だけでなく、無宗教の人などにもおすすめの方法と言えるでしょう。

死後は自然に還りたいという考えの元、生前に専門会社へ散骨の予約をする人もいます。

散骨の種類は海洋散骨、山林散骨、空中散骨、宇宙葬などが挙げられます。

海洋散骨は船の上から海上、山林散骨は山の中、空中散骨はヘリから空中にばら撒きます。

宇宙葬はご遺骨をカプセルなどに入れ、ロケットに載せて飛ばします。

ただ、散骨後はご遺骨が残らないため、お参りをしたい人には向かない方法です。

まとめ

今回は、仏壇はいらないという考えかたについて、以下のことを解説しました。

  • 仏壇は小さなお寺を表現したもの、ご先祖様の供養と精神安定のために必要
  • 置き場所を確保ができない・仏教以外の宗教を信仰している・無宗教で仏壇自体に興味がない、などの理由がある
  • 仏壇がいらない場合、代わりの供養方法は4種類で、お寺や霊園がご遺骨の管理・供養をする永代供養墓・・樹木をお墓の代わりにする樹木葬・ご遺骨を屋内に安置して管理する納骨堂・ご遺骨を粉状にして自然の中へばら撒く散骨がある

仏壇をいらないとする考えかたは、個人的な事情や信仰心などから出てきたということがわかりました。

仏壇はいらないという主張は故人を蔑ろにしようとしているわけではなく、仏壇だけにこだわる必要はないということです。

仏壇以外にも故人の供養方法の選択肢があるということは知っておいたほうがよいでしょう。

御札を神棚なしで祀る方法とは? 御札の向きや位置について解説します

2022年1月7日

厄年や家内安全、あるいはご家族の合格祈願や初宮などでいただいた御札、せっかくですから正しく祀りたいですよね。家に神棚があれば簡単なのですが、今は神棚がない家が増えています。その場合、どのように祀ればよいのでしょうか?この記事では、神棚なしで御札を祀る方法について解説します。

御札の向きが重要

まず、安心していただきたいのは、御札を祀るのに神棚の有無は重要なことではありません。

御札を祀るのに重要なのは、御札の向きと高さです。
これさえ守ればあとは細かいルールは多少ずれても大丈夫です。

御札の正面を南か東に向ける

一般的に御札の向きは南か東です。

これは、「御札を南や東の壁に貼りなさい」という意味ではありません。

南は日中太陽が輝く場所、東は太陽が出る場所なので、「御札の正面をこの方角に向けましょう」という意味です。

御札は北か西の壁に

つまり、御札を南向きにするなら北の壁、東向きにするなら西の壁を背にして祀ります。

ちなみに、向きについて南と東のどちらがいいというのは特に決まっていないので、御札を貼りたい部屋の壁のスペースや生活の動線を考えて、落ち着く向きに祀りましょう。

例外もある

例外的に年神様がいらっしゃる方角に向けて祀る御札もあり、早稲田の穴八幡宮の御札が有名です。

この御札はその年の恵方に向けるため、毎年祀る向きが変わります。

こうした例外的な御札は説明書きを添えて渡してくれるので、それに従いましょう。

御札には二種類ある

普段「御札」または「神札」とひとくくりにしますが、御札には二種類あって、扱いかたが異なるとご存知でしたか?

神棚に入れる御札

一つ目は神棚に入れるための御札です。

紙製でシンプルにできていることが多く、中央に神社名が入っています。

願意や受ける人の名前は入っていません。

神社では神様の依代として鏡や剣などを御神体として祀りますが、この紙札は神棚における御神体に相当するものです。

ですから、通常は神棚の中に祀って扉を閉めます。

とはいえ、神棚は現代の住宅に合いませんし、神棚自体の歴史も古いものではないため、神棚なしで直に祀っても向きと序列が合っていれば構いません。

ただし、神棚ありの場合もなしの場合も、伊勢神宮の御札・氏神神社の御札・崇敬神社の御札の三体の御札を用意し、伊勢神宮の御札を上位に祀ります。

神棚に入れない御札

昇殿祈祷を受ける際に願意に合わせていただくことが多いため、祈祷神符ともいいます。

しかし、祈祷を受けると必ずついてくるというわけでもありませんし、祈祷を受けなくても授与所で受けられることが多いです。

木製のことも紙製のこともあり、大きさも様々です。

多くの場合、神社名の他に願意と受ける人の氏名が墨書されており、場合によってはお寺で受けることもできます。

「出産する子どものためにとプレゼントされた」、「孫の七五三でついてきた」というように思いがけないやりかたでいただくこともあるかと思います。

こちらの御札は、神棚に入れるための御札とは異なり、家に置いておくための大型の御守りというイメージがわかりやすいです。

家に置いておくものなので、向きに気を配る必要がありますが、願意が入っているため、見える位置に祀ります。

御札の適切な祀りかた

御札の向きと種類がわかったところで、その他の祀りかたを確認しましょう。

ここでは願意の入った御札の祀りかたを中心に紹介します。

神棚は必要?

繰り返しますが、神棚がないのは悪いことではありません。

これは、神社に勤めていたときに習ったことですが、形式はあまり重要ではなく、多くの神社は神棚の有無やお供えの頻度などについて無理のない範囲でとすすめています。

第一、神棚や屋敷神のような一般家庭での祭祀のルールは地域差が大きく、これが正しいと決めつけることはなかなか難しいです。

神棚に御札を祀る方法

商売繁盛や厄除けなどの願意とそれを受けた人の氏名などが入った御札は、神棚の中には入れず、神棚の外に祀ります。

神道では向かって右が偉いため、神棚の向かって左側に置くのが一般的です。

お寺の御札もここに置いてしまって大丈夫です。

神棚がない場合の位置

神棚がない場合、御札の正面が南か東向きになること、立ち上がったときの目線より高い位置にすることの二点に気をつけて祀る位置を決めましょう。

戸の上など御札の下を人が行き来するような場所や、お手洗いや台所の近くも避けましょう。

寝るときに自分が落ち着かない場合は、寝室もおすすめしません。

仏間に置くことはOKですが、先祖を祀ることと神様を祀ることは別なので、仏壇に直接御札を祀ることは避けましょう。

上手な祀りかた

画鋲や釘で御札に穴を開けることは避けます。

のりやテープを見えない位置につけるのは構いません。

木製の御札はそれなりに重さがありますし、不安定で御札が落ちてしまったら縁起が悪いため、棚にテープで固定するか札立てを利用するといいと思います。

紙製の御札なら、写真立てやクリアファイルに挟んだ上で画鋲や釘で固定する方法がとれます。

御札を祀ったあとは?

神棚に入れた御札は、毎年の正月準備の際に取り換えますが、初詣のついでに御札を交換する方が多いです。

願意が入った御札の取り換えは、御守りと一緒です。

一年以内に願い事が叶ったら、持ってお礼参りに行き、お焚き上げしてもらいます。

願い事が叶わなかった場合、厄除けや家内安全のような願意の場合は、御札を受けて一年経ったら取り換えます。

まとめ

今回の記事をまとめると以下になります。

・御札を祀るのに重要なのは神棚の有無ではなく、御札の向きと高さである

・一般的に御札の向きは南か東。これは、南は日中太陽が輝く場所、東は太陽が出る場所なので、「御札の正面をこの方角に向けましょう」という意味である。つまり、御札を南向きにするなら北の壁、東向きにするなら西の壁を背にして祀る

・神棚がない場合、御札の正面が南か東向きになること、立ち上がったときの目線より高い位置にすることの二点に気をつけて祀る位置を決める。御札の下を人が行き来するような場所や、お手洗いや台所の近くも避ける

・神棚に入れた御札は、一年以内に願い事が叶ったら、持ってお礼参りに行き、お焚き上げしてもらう。願い事が叶わなかった場合、厄除けや家内安全のような願意の場合は、御札を受けて一年経ったら取り換える

せっかくご縁があって手元にある御札ですから、しまいこまずにお祀りしましょう。

作法について細かく言う人もいますが、実際に神社で聞いてみるとわからないことは丁寧に教えてくれます。

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