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家族葬を行った場合の喪中はがきの書きかたは? 文例や送る際の注意点も解説します
近年では、家族だけで行う葬儀「家族葬」が増えています。家族葬になると、葬儀の参列者は近親者のみとなるので、喪中はがきで初めて亡くなったことを知らせるケースも多いでしょう。今回は、家族葬を行った場合の喪中はがきの書きかたをご紹介します。
目次
喪中はがきとは
喪中はがきとは、年賀状を出さないことを伝えるための挨拶状のことです。
喪中は慶事を避けなければいけないため、年賀状も出しません。
ですので、喪中はがきを送ることで年賀状が書けない理由を伝えます。
家族葬の喪中はがきの文面・文例
家族葬の喪中はがきの文面・文例は、一般的なものとビジネスシーンのものの大きく2つに分けることができます。
ここでは喪中はがきの文例を横書きで書いていますが、縦書きで書くのが一般的です。
一般的な喪中はがきの文面・文例
まず、一般的な喪中はがきの文面・文例についてご紹介していきます。
構成としては、最初の挨拶文の後、故人の名前と続柄と家族葬を執り行ったことを続け、結びの文で締めくくります。
【例】
喪中につき年末年始のご挨拶は失礼させていただきます
〇〇(続柄)〇〇(故人の名前)が○月○日に〇〇歳にて永眠致しました
葬儀は故人の遺志により近親者にて執り行いました
ご通知が遅くなりましたことお詫び申し上げます
本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
令和〇年十二月
ビジネスシーンでの喪中はがきの文面・文例
次に、ビジネスシーンでの喪中はがきの文面・文例についてご紹介します。
ビジネスシーン特有の表現もありますので、ご確認ください。
【例】
喪中のため新年のご挨拶は失礼させていただきます
本年〇月にかねてから療養中でありました 弊社〇〇(故人の役職名)〇〇(故人の名前)が永眠いたしました
ここにお得意様各位から賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます
皆さまにはご心配をおかけ致しましたが
弊社の業績は順調に推移しております
今後とも変わらぬご支援ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます
令和〇年十二月
喪中はがきの書きかたのポイント
最低限盛り込むべき内容
喪中はがきに最低限盛り込むべきことは以下のとおりです。
これが構成の大きな枠組みにもなります。
挨拶文
喪中により、新年の挨拶を控えさせていただくことを伝えます。
このとき、年賀という表現は使わず、年頭・新年・年始などといった表現を使います。
【例】
喪中のため年頭のご挨拶は失礼させていただきます
喪中につき年末年始のご挨拶はご遠慮申し上げます
誰がいつ何歳で亡くなったのか
誰がいつ何歳でなくなったのかを示すために、故人の名前・故人との続柄・故人の年齢・故人が亡くなった月を記します。
故人の名前は複数記入しても差し支えありません。
続柄は父母、祖父祖母、兄弟姉妹などと表記します。
また、義父・義母という書き方はせず、岳父・岳母という表記をします。
年齢の表記は基本的には数え年を用いますが、最近では満年齢で表記しても問題ないようです。
しかし、享年と表記する場合は数え年を使いますので注意しましょう。
【例】
平成○年○月 父〇〇が〇〇歳にて永眠いたしました
平成○年○月 岳父〇〇が〇〇歳にて永眠いたしました
家族葬を執り行ったこと
家族葬を執り行ったこともしっかりと記しておきましょう。
さらに、葬儀を執り行った報告が遅れてしまったことへのお詫びも盛り込むと丁寧でしょう。
また、香典・供花・供物などの辞退もここでお知らせしましょう。
【例】
葬儀は故人の生前の意志により家族のみにて執り行いました
早々にお知らせするべきところではございましたが
ご通知が遅れましたこと深くお詫び申し上げます
尚 香典につきましてはご辞退させていただきたくお願い申し上げます
結びの文
喪中はがきは結びの文で締めくくりましょう。
生前お世話になったことへの感謝の気持ちを添えつつ、結びの文に続けます。
【例】
生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますと共に
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
喪中でも年賀状を受け取ることはできるか
喪中でも年賀状を受け取ることができます。
喪中に年賀状を受け取りたい場合は、喪中はがきに以下のような文言を加えるとよいでしょう。
【例】
新年のご挨拶は失礼させていただきますが
皆さまからの年賀状は励みにもなりますので
どうぞ例年どおりお送りくださいませ
書きかたの注意点
日付の書きかた
喪中はがきの最後には日付が付されているかと思います。
喪中はがきは11月の下旬から12月の初旬あたりに相手方に届くようにしますが、喪中はがきの日付ははがきを送った日にかかわらず漢数字で十二月と記します。
薄墨で書くべきか
たしかに弔事においては薄墨を使うことが多いです。
そもそも薄墨を使う理由としては、「涙でにじんだせいで墨が薄くなってしまった」や「突然の出来事だったのでちゃんと墨をすることができず、薄いままで書いた」などの意味があります。
しかしながら、喪中はがきの場合は事前の十分な用意が可能なものであるので、薄墨を使わなくても問題ありません。
喪中はがきには黒色か薄墨で記すとよいでしょう。
また、宛名は黒色で記すことが一般的です。
相手方の住所や名前を記すという理由から、薄墨ではなく黒色を用いるのがよいとされています。
添え書きはしてもよいのか
喪中はがきには原則添え書きをしません。
これは、盛り込むべき内容を踏まえていれば、添え書きは蛇足になってしまうという考えかたによるものです。
そうはいっても、内容によっては添え書きをしてもよいという場合もあります。
葬儀や法事・法要に足を運んでくださったお礼や、故人との懐かしい思い出などを一言添える程度でしたら問題ないでしょう。
しかし、慶事に関することや故人と関係ないことについて添え書きするのはマナー違反ですので注意しましょう。
その他の注意点
この他に、喪中はがきを書くときに気をつけたいことをまとめました。
基本的なマナーばかりですのでこちらも併せて押さえておきましょう。
- 縦書きが原則。横書きだとカジュアルな印象を与えてしまうため。
- 句読点は使わない
- 行の最初の文字であっても一字下げはしない
- 数字は漢数字を用いる
喪中はがきを送るときの注意点
誰が亡くなったら送るのか
喪中はがきは二親等までの親族が亡くなったときに送ります。
これは、一般的に喪に服す範囲が二親等までの親族が亡くなったときであることに関係します。
二親等までの親族というのは、具体的には以下のような続柄です。
- 本人と同一配偶者
- 一親等父母・子・義父母
- 二親等祖父母・兄弟姉妹・孫・義兄弟・義姉妹・義祖父母
二親等までの親族でなくとも同居していた場合などは、喪中はがきを送ることが多いです。
誰に対して送るのか
喪中はがきは、年賀状のやり取りをしている方・葬儀に参列してくれた方・故人と生前親しくしていた方などに送ります。
ただし、むやみに送ればよいということではありません。
喪中はがきは年賀状を出せない理由を記したものですので、普段年賀状のやり取りをしていない人に対しては基本的には出しません。
どのタイミングで送るのか
喪中はがきは11月の下旬から12月の上旬くらいに届くように送ります。
様々な事情で12月の上旬までの報告が間に合わないという場合は、松の内(1月7日)ごろから寒中見舞いを出して代用するということもできます。
キリスト教の場合は送るのか
キリスト教には喪中という考えかたはありません。
しかしながら、日本の習わしにしたがってキリスト教の方でも喪中はがきを出すということもあります。
このとき、「喪中」という表現の代わりに「主の御許(みもと)に召されましたため」などと表現しますので注意しましょう。
以下にキリスト教の場合の喪中はがきの例文を紹介します。
【例】
過日〇〇〇〇が主の御許(みもと)に召されましたため
新年のご挨拶をご遠慮申し上げます
明年が皆様にとって幸多き年となりますようお祈り申し上げます
【例(カトリックの場合)】
去る〇月〇〇〇〇が帰天いたしました
つきましては新年のご挨拶をご遠慮申し上げます
生前のご厚誼を深く感謝申し上げます
なお時節柄一層のご自愛のほどお祈り申し上げます
【例(プロテスタントの場合)】
去る〇月〇〇〇〇が召天いたしました
つきましては新年のご挨拶をご遠慮申し上げます
生前のご厚誼を深く感謝申し上げます
なお時節柄一層のご自愛のほどお祈り申し上げます
カトリックの場合は帰天を、プロテスタントの場合は召天を使うなど、宗派によって表現が異なることもあります。
まとめ
今回の内容をまとめると、以下の通りです。
- 喪中はがきとは、喪中につき年賀状を出せない理由を知らせるものである
- 家族葬の喪中はがきの文面・文例は構成がある程度決まっている
- 喪中はがきを書くときには、最低限盛り込むべき内容をきちんと踏まえ、細かいルールにも注意しながら書き進める
- 喪中はがきは基本的に2親等以内の親族が亡くなったときに送る
喪中はがきは、大切な報告を行う機会になります。
誤った書きかたをしてしまうとマナー違反や失礼に当たってしまうので、ぜひ今回紹介した文面を参考にしてみてください。