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仏壇はいらないという人が増えている? 理由や仏壇以外の供養方法について解説します

日本の代表的な宗教と言えば仏教なので、各家庭に仏壇が置かれている光景も珍しくありません。しかし、近年では仏壇をいらないと感じている人が増えてきています。今までは仏壇に手を合わせることが当たり前に行われてきたため、仏壇も必須のものとされてきましたが、そういった風習と真逆の考えが出てきたのはなぜでしょうか。この記事では、仏壇はいらないという考えかたについて解説します。

 仏壇はいらないという人が増えている? 理由や仏壇以外の供養方法について解説します

仏壇が必要とされてきた理由

仏壇が必要な理由としては、ご先祖様への供養することが挙げられます。

そもそも仏壇は小さなお寺を表現したものです。

そのため、自宅でいつでも手を合わせ、ご先祖様の供養をすることができます。

また、毎日手を合わせることで気持ちを落ち着かせるという効果もあります。

仏壇をいらないと考えるのはなぜか

近年、仏壇を必要ないと考える人が増えていると先述しました。

しかし、そう考えるに至った理由は人によってさまざまです。

一体どんな理由があるのでしょうか。

部屋に置ける場所がない

理由として、部屋に仏壇を置ける場所がない点が挙げられます。

例えば自宅が一軒家だった場合、部屋の数は多いので仏壇を置く場所を用意することは簡単にできるでしょう。

しかし、中にはアパートやマンションのように、部屋数があまり多くない賃貸住宅に住んでいる人もいます。

狭い場所に無理矢理置くことは出来るかもしれませんが、それで普段の生活に支障が出る可能性も考えられます。

仏壇を置きたくても、置き場所が確保出来ないから諦める人は多いです。

信仰心がない

仏壇を置かない理由には信仰心がないというのも大きいです。

先述したように、仏壇は仏教と深いつながりがあるため、仏教徒が仏壇を所有しているのはごく自然なことです。

しかし、仏教以外の宗教を信仰していた場合、仏壇を置く必要性はありません。

例えば神道なら神棚、キリスト教なら祭壇というように、宗教によって家庭用の礼拝対象は異なるからです。

日本人の宗教観でよく言われるのが「元旦は神道、結婚式はキリスト教式、葬儀は仏教」というものです。

複数の宗教を受容している点から、信仰心が全くないというのは不正確ではないかといわれています。

ただ、熱心な信者は少ないため、家が仏教でも仏壇に対する執着心は薄いのです。

場所をとり邪魔になるため

大きくて邪魔になるという理由で、仏壇はいらないという人もいます。

自宅が狭いと仏壇を置く場所を確保するのが難しいと先述しました。

その上、仏壇そのものが大きければさらに置く場所がなくなり、日常生活の妨げになることでしょう。

仏壇のサイズは色々ありますが、比較的大型の仏壇が多いです。

昔は仏壇は大きければ大きいほどよいという考えが一般的でした。

さらに広い部屋に小型の仏壇を置くのは見栄えが悪い、供養対象の仏様に喜んでほしいなど、さまざまな理由から大型の仏壇が好まれていたのです。

しかし、ライフスタイルや価値観の変化、費用がかさむなどの理由で上記のような考えは減りつつあります。

無宗教の人が多いため

無宗教の人が多いことも仏壇を置かない理由の一つです。

仏壇が一般庶民に広く普及したのは、江戸時代にあったキリシタン禁制がきっかけです。

キリスト教を排除するため、キリシタン禁制に伴い、檀家制度が作られました。

檀家制度はお寺の檀家になることを強制するものであり、これを拒否したらキリスト教徒として処刑されることになります。

そのため、多くの人が仏教徒の証明として檀家になり、仏壇を置く家庭が急増したのです。

しかし、現代では自分の宗教を自分で選択できる自由があるので、無宗教であっても問題ありません。

無宗教なので、部屋のインテリアに合わないからという理由だけで、置いていた仏壇を処分する場合もあります。

仏壇がない場合の供養

故人の供養だけが目的であれば、仏壇にこだわる必要はありません。

しかし、仏壇の代わりとして他にどんな供養方法があるのでしょうか。

永代供養のお墓

永代供養墓はご遺族の代わりにお寺や霊園がご遺骨の管理・供養をすることです。

仏壇を部屋に置かなくてもお墓があるから問題ないという人はいます。

しかし、一般的なお墓の費用は高いため、お墓以外の供養を求める人も多いです。

その点、永代供養墓はお寺や霊園側でお墓を用意してくれますし、費用も一般的なお墓より安く済みます。

また、お墓の管理もしてくれるため、仏壇のように手入れをする必要もありません。

しかし、永代供養墓には個別墓と合祀墓があり、後者は他人のご遺骨と一緒に一つのお墓にまとめて埋葬します。

この場合、後から個別にご遺骨を取り出すことは不可能です。

樹木葬

樹木葬は樹木をお墓の代わりにして、その根元にご遺骨を埋葬し、供養することです。

樹木葬の種類は大きく分けて都市型、ガーデニング型、里山型の3つあります。

都市型は公園型とも呼ばれ、整備された敷地内に樹木を植え、その周りにご遺骨を埋葬します。

ガーデニング型は一言で表すなら手入れの行き届いた庭園です。

他の種類よりも敷地が狭い場合が多いため、大きい樹木よりも数多くの植物を植えられている傾向が強いです。

里山型はご遺骨を埋葬する場所が文字通り山の中という点が大きな特徴と言えるでしょう。

ただ、里山型の場合は都市部から離れているため、お参りに時間がかかります。

納骨堂

納骨堂はご遺骨を地面に埋葬するのではなく、屋内に安置し、管理する場所です。

昔の納骨堂は、まだお墓を建てていない人がご遺骨を一時的に預ける場所という役割を持っていました。

しかし、現代ではお墓や仏壇として納骨堂を利用する人が増加しています。

納骨堂はご遺骨の管理を一任出来る上に費用もお墓より安いです。

さらに交通の便がよい場所にあるため、近ければ仕事帰りに気軽に立ち寄ることも出来ます。

納骨堂の種類には小さいタイプの仏壇式、四角形のお壇がずらりと並ぶロッカー式、タッチパネルで操作してご遺骨を移動させる機械式、位牌に向かって合掌する位牌式などがあります。

散骨

散骨はご遺骨を粉状に砕き、自然の中へばら撒くという供養方法です。

散骨は宗教や宗派を問わないため、仏壇がいらない人だけでなく、無宗教の人などにもおすすめの方法と言えるでしょう。

死後は自然に還りたいという考えの元、生前に専門会社へ散骨の予約をする人もいます。

散骨の種類は海洋散骨、山林散骨、空中散骨、宇宙葬などが挙げられます。

海洋散骨は船の上から海上、山林散骨は山の中、空中散骨はヘリから空中にばら撒きます。

宇宙葬はご遺骨をカプセルなどに入れ、ロケットに載せて飛ばします。

ただ、散骨後はご遺骨が残らないため、お参りをしたい人には向かない方法です。

まとめ

今回は、仏壇はいらないという考えかたについて、以下のことを解説しました。

  • 仏壇は小さなお寺を表現したもの、ご先祖様の供養と精神安定のために必要
  • 置き場所を確保ができない・仏教以外の宗教を信仰している・無宗教で仏壇自体に興味がない、などの理由がある
  • 仏壇がいらない場合、代わりの供養方法は4種類で、お寺や霊園がご遺骨の管理・供養をする永代供養墓・・樹木をお墓の代わりにする樹木葬・ご遺骨を屋内に安置して管理する納骨堂・ご遺骨を粉状にして自然の中へばら撒く散骨がある

仏壇をいらないとする考えかたは、個人的な事情や信仰心などから出てきたということがわかりました。

仏壇はいらないという主張は故人を蔑ろにしようとしているわけではなく、仏壇だけにこだわる必要はないということです。

仏壇以外にも故人の供養方法の選択肢があるということは知っておいたほうがよいでしょう。